HAL/S の COMPOOL はピンが最初から抜かれている手榴弾に例えられるべきだ

"C のポインタの危険性を剥き身のナイフに 例えるなら、HAL/S の COMPOOL はピンが最初から抜かれている手榴弾に例えられるべきだ"

"HAL/S は珍しい、死亡日時がはっきりしたプログラミング言語となる。STS-135 向けのミッショ ン用コード差分の最後のものが書かれた瞬間に、HAL/S の死は確定する。命日は 2011 年 7 月 21 日、 最後のシャトル OV-104 アトランティス搭載の AP-101S から火が落とされる瞬間だった。これより 先、HAL/S でコードが記述されることは二度と無いだろう。"

<本文より> http://www2a.biglobe.ne.jp/~mizuki/tmp/programming_HAL_S_V2a.pdf

序: プログラミング言語に優务は無い、と言う人がいる。 それは今日の、素晴らしい言語が綺羅星のように並び立つ現状に慣れた、恵まれた立場からの発 言である。残念ながらプログラミング言語に優务は存在する。あまりの酷さに頭をかきむしり、製 作者の正気を疑う、そういう言語は存在する。所詮、人が作るものなのだから。 プログラミング言語は決して、チューリング完全を獲得次第速やかにユーザフレンドリーになっ たり、記述の簡潔さを自律的に獲得したりはしない。それらは創造者が与えるものなのだ。 本書では、残念ながら優れた言語とならなかった例として、ひとつのプログラミング言語を紹介 する。

HAL/S は珍しい、死亡日時がはっきりしたプログラミング言語となる。STS-135 向けのミッション用コード差分の最後のものが書かれた瞬間に、HAL/S の死は確定する。命日は 2011 年 7 月 21 日、最後のシャトル OV-104 アトランティス搭載の AP-101S から火が落とされる瞬間だった。これより先、HAL/S でコードが記述されることは二度と無いだろう。

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水城徹さんがこれを執筆されてから、丁度 10 年が経過して、数多のソフトウェア言語が生まれそして設計自体も洗練されてきました。 今、私は機械学習モデルの実運用化に関っていて、当時と全く異なる状況ではありますが、改めてこのテキストを読んでいます。

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(上記の記事より引用させていただきました)